THE First Line of Light
一枚のスケッチ、一つの始まり
私は建築を学んだデザイナーです。
これまでの空間設計を通して、空間の主役は「そこにいる人々」、そして彼らが空間と交わることで生まれる光と影の柔らかな軌跡だと確信しました。かつて図面で描いた線が分厚い壁や厳格な構造であったのに対し、図には現れない「光」こそが、空間に最も豊かで感情的な表情を与える媒体だと気づいたのです。
私たちが目指すのは、日本的な「侘寂(わびさび)」の美学です。それは、余白の中でこそ豊かな本質を感じる哲学であり、この「素朴で奥深い言葉」を、私たちの照明を通して表現したいと考えています。

照明については、ちょっと違うこだわりがあるんです。
私は、「ずっとピカピカの新品」を追いかけるのではなく、「これから完成していく器(うつわ)」を作りたいと思っています。私たちが選んだ金属や木材は、どれも飾らないシンプルなもの。でも、それがあなたの暮らしの中で、湿気に触れたり、毎日触ったりすることで、少しずつ酸化して、「あなたの家だけの味」になっていくんです。
「この線、邪魔じゃないかな? 一つでもパーツを減らせたら、光はもっと素直に出てくれるんじゃないか?——建築で学んだ構造のカッコよさを、手のひらサイズのライトにギュッと詰め込みたい。」
そんな想いから、パーツを自由に付け替えられる「組み合わせるシステム」を考えました。これなら、ライトが「固定されたただの道具」じゃなくなり、使う人や季節と一緒に、ずっと変化を楽しめるようになるんです。

デザインのゴールは、感情(心)で繋がること。
ライトを点ければ、そこには騒がしさのない静謐な時間が流れます。
完璧でなくとも、ありのままの日常を優しく見守り、時と共に愛着が増す、あなたの大切なパートナーになることを願っています。